2018年05月05日
冬季五輪をテレビで観戦中、どうしても気になることがあった。英国の選手団が「チームGB(グレートブリテン)」と呼ばれていたことだ。普段、英国人は自分の国を「UK(ユナイテッドキングダム=連合王国)」と呼ぶのに・・・。
UKとはイングランド、ウェールズ、スコットランドからなる英国本島と北アイルランドを含む総称。五輪のチームGBには、UKだけでなく、世界中に点在する英王室領や英国領の選手も含まれるため、UKはふさわしくないのだ。
では、なぜGBなのか。英オリンピック委員会によると、1896年の第1回アテネ大会で英国は3文字の「GBR」を名乗った。以来、幾多の戦争を経て領土が変遷しようとも、その名を堅持してきたという。
だが、GBは英国本島の名称であり、それが示す範囲は、残念ながらUKより狭い。案の定、毎回の五輪で、GBだと外れてしまう北アイルランドから、GBの名称に不満と疑問の声が寄せられるという。連合国家はこういう点がややこしい。
いっそのこと、日本独自の呼称である「イギリス」を採用してはどうだろう。 (沢田千秋)