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韓国・平昌 身近に出合える芸術

2018年05月04日

 「モルゲッソヨ像、見た?」。平昌(ピョンチャン)冬季五輪を現地で取材していたら、日本の友人からメッセージが届いた。平昌のメインプレスセンター前にある像がネットで話題になっていると。

 当該作品は、頭に弾丸をかぶった3体の男性裸像。ある日本メディアが、スタッフに聞いても皆「モルゲッソヨ(知りません)」と答えたと紹介し、ネット上で名付けられたらしい。

 正式名は「弾丸マンたち」。2013年の平昌ビエンナーレの出品作で、現在の場所に設置された。作者は韓国メディアの取材に「欲望の殻の中には弱い人間の本性が存在する」と制作の意図を説明している。

 韓国にある「像」というと、日本大使館前の少女像を思い浮かべる日本人が多いかもしれないが、ソウルでも平昌でも街中で多くのオブジェや像を見かける。一定以上の大きさの施設を建てる際には、建築費の0.5~1%相当の美術作品を設置するか、基金への寄付が義務付けられていることが大きい。

 歩いていて思わぬ有名作家の作品に出合うことも。理解できようができまいが、さまざまな作品に触れられる環境があることは、悪くない。 (境田未緒)