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ソウル 勤務医の過労は共通

2019年03月06日

 病室のベッドを仕切るカーテンを開ける音と名前を尋ねる声で、目を覚ました。「検査結果はやはりヘルニアですが、手の力がないのが気になります」。寝ぼけ眼で起き上がり、医師らしき男性に言われるまま症状を話し、手を動かす。10分ほどの診察(?)が終わって時計を見たら、午前0時20分だった。

 自転車で転んだ後に肩の痛みなどに襲われ、検査と治療のため人生初の入院をソウルで経験した。検査が混んでおり、入院しながら空き時間を待つ。果たして入院当日の午後9時半、すぐに検査だと告げられ、消灯後の病室を抜けだした。

 戻って横になってからの医師の訪問。寝入りばなを起こされた不快さより、救急病棟でもないのに、日曜日の真夜中に働いていることへの驚きが先に立った。その医師は翌日、予定より3時間遅れの午後8時にあった教授回診に付き添い、教授に検査結果や症状を説明していた。

 韓国では、労働時間を週52時間に短縮する改正法が施行されたばかりだが、医療関係者は対象外。日本でも勤務医の過労が問題になっているが、韓国も同じだということを実感したのだった。 (境田未緒)