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ベルリン なんと矛盾の大きい

2019年03月13日

 激しすぎる年越し花火に衝撃を受けた。ドイツでは普段、個人の打ち上げ花火は禁止だが、大みそかの午後6時から翌朝7時までは解禁になる。日が落ちたら、もう自宅周辺ではパンパンと音が鳴り響いていた。

 独メディアによると、花火は年末だけで1億ユーロ(約124億円)以上も売れるそうだ。北部ハンブルクでは、男が850キロもの花火や爆竹を自宅に準備し、警察に押収されたというニュースがあった。

 カウントダウンの少し前、知人宅がある6階建てアパートの屋上に上がると、すでに360度至るところ花火だらけ。日本の市販のものより格段に火力が強く、遠くまで夜空がうっすら明るい。ロケット花火が当たったのか、窓ガラスにひびが入るアクシデントが起きた。

 火災や死亡事故がしばしば起きる。大気汚染も深刻で、年越し花火の粉じんは、年間の排ガスの約15%に相当するという。ディーゼル車の乗り入れを禁止する都市が増えているというのに、なんという矛盾。

 「今こそ、すべてのドイツ国民に問います!」と言わずにはいられない。さすがにやり過ぎと違いますか。 (近藤晶)