2019年03月20日
出張先の東部マサチューセッツ州ボストン近郊のホテルで午前1時ごろ、けたたましい警報の音でたたき起こされた。
寝ぼけ眼で着の身着のまま、慌てて1階まで下りたが、フロントは不在で、状況が分からない。すると、サイレンを鳴らした消防車両が何台も駆け付け、消防隊員からすぐに避難するよう指示された。
外は冷え込みが厳しく、気温は氷点下5度。他の宿泊客と凍える思いをしながら、薄着の身を寄せ合って30分間ほど耐えた。その後、消防隊員の調査でぼやと判明し、完全に冷え切った体でロビーへ戻った。
だが、ホテル職員は「部屋へ入っていい」と言うだけ。初老の宿泊客は「こんな時なのに、チェックイン業務をしているだけのようだ」と皮肉をぶつけたが、訴訟社会の米国では、謝れば何らかの責任を取らされるという発想が根強い。職員は返答せず、非を認めなかった。
チェックアウトの際、私も「深夜に外へ出され、ひどい目に遭った」と文句を言ったが、職員は「よくある配線のショートだ。私は朝からの勤務だから」と人ごと。やっぱりおわびは一切なかった。 (後藤孝好)