2019年03月28日
タイ北部のチェンマイは美しい古都だ。世界中から訪れる観光客を魅了する。東南アジア諸国連合(ASEAN)の会議が開かれた1月中旬に再訪した。
今回は加盟各国から要人が集まるため、タイの治安当局が警戒レベルを上げていると聞いていた。会場ホテル周辺の様子を取材中、「検問所の場所を知っているよ」と声がかかった。タイ名物の三輪タクシー「トゥクトゥク」の運転手だった。
料金を尋ねても、運転手ははぐらかした。仕方がないと乗り込み、向かったのは旧市街のお堀の近く。確かに警察官が数人いたが、検問所ではなく、ヘルメット着用違反のバイクなどの取り締まりだった。
思ったような写真を撮ることができず、結局、約1.5キロ四方のお堀を1周しただけ。すると、運転手は「400バーツ(約1300円)ね」とニンマリ。こちらは「私が暮らしているバンコクだったら、せいぜい200バーツだよ」と嫌みを言って降りた。
ホテルのフロント係にぼやいたら「運転手は吹っかけてません。チェンマイで400バーツは普通です」。料金は乗車前に双方が確認しておきたいもの。お互いのため。
(山上隆之)