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バンコク 大気汚染何とかして

2019年04月09日

 1月末、バンコクの学校に通っている息子が学校からの一斉メールを見せてきた。「大気汚染がひどいため、週末まで一時休校とします。自宅で待機を」とあった。事態がより深刻になっているのを痛感した。

 バンコクとその近郊では1月に入り、微小粒子状物質「PM2.5」の濃度が世界保健機関(WHO)の環境基準を大幅に超える日が続き、健康被害が心配されている。

 自動車の排ガスや建設現場の粉じん、野焼きなどが主な発生源。現在は乾期で、雨が少ないのも影響しているという。

 タイ政府も飛行機から薬剤をまいて人工雨を降らせたり、幹線道路に散水をしたりと対策に躍起だが、効果は限定的だ。

 マスク姿の市民が街で目立ち、多くの店で品薄の状態に。今のところ私の体調に変化はないが、支局の助手たちは「目が痛い」「鼻水が止まらない」と悲鳴を上げている。

 先日会った日系自動車メーカーの幹部は表情を引き締めていた。「政府の排ガス規制が強化されれば、私たちが得意とするエコカーの需要も増える。このビジネスチャンスを逃してはならない」と。 (山上隆之)