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ジンバブエ・ビクトリアフォールズ 「跡を濁さず」去りたい

2019年04月19日

 ジンバブエにある世界三大瀑布(ばくふ)の一つ、ビクトリアの滝を訪れた。近づくにつれて降りかかる飛沫(ひまつ)とゴーッという爆音。近寄ってきた土産売りの男性がすがるように言った。「物価が上がって生活できない」

 2017年に37年にわたった独裁政権のムガベ大統領が追放され、ムナンガグワ政権が誕生した。ガソリン代の値上げに端を発した反政府デモが激化している。首都ハラレから離れた観光地は平穏だったが、外国人観光客の姿はまばらだ。

 タクシー運転手も「車内だけの話ね」と断って延々と政府批判を繰り広げ「マンデラは偉かった」とつぶやいた。隣国南アフリカの故マンデラ元大統領は1994年に就任し、一期(5年)しか務めなかった。その潔さに憧れるという。

 獄中生活を経て白人支配によるアパルトヘイト(人種隔離)を終わらせた反植民地闘争の英雄という点で、ムガベ氏とマンデラ氏の足跡は重なる。だが、権力の座に固執したムガベ氏は汚職にまみれ、国を財政破綻させた。「立つ鳥跡を濁さず」の何と難しいことか。しつこい土産売りから逃げるように立ち去った。 (奥田哲平)

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