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韓国・城南 食べるか否かは自由

2019年06月07日

 冷蔵ケースの中に並んでいるのは、紛れもなく「犬」だった。韓国伝統の犬食文化を取材していて犬肉がどのように流通しているのか気になり、ソウル近郊の城南(ソンナム)市にあるモラン市場を訪れた。

 市場ではかつて、生きたままケージに入れて売っていたという。だが、犬食への批判の高まりを受け、姿を消した。犬肉の販売店も人目を意識してか、買い物客が行き交う店先に置いているのは脚などの部位だけ。一見してそれと分かる肉はないのだが、店内をのぞくと一匹丸ごとの「犬」が並んでいた。

 韓国では犬を食べることの是非をめぐり、動物保護団体と、犬食で生計を立てる飼育業者らの対立が続いている。「犬をわざわざ食べる必要はない」との主張も分かるし、「牛や豚と同じ、昔からの食文化だ」との考えも理解できる。

 専門店で食べてみると、脂も乗って柔らかく、正直、「うまい」と感じた。だが実際には犬食市場は縮小している。反対派は法律での禁止を求めているが、需要がなくなればおのずと消えていくだろう。結局は、個人の選択に任せればいいのではないだろうか。 (中村彰宏)

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