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カイロ 怖い「エジプトらしさ」

2019年06月19日

 ある取材で向かった民家。祝いの場でにぎやかな雰囲気の中、家人がニヤニヤしながら勧めてきたのはハシシュ(大麻樹脂)だった。子どもが周りにいるのにお構いなし。丁重に断ったが、やりきれなさが残った。

 2月下旬にカイロ中心部のラムセス駅で、無人の列車が線路の終点にある壁に激突して燃料が爆発。駅構内の少なくとも25人が死亡した。運転士は数キロ手前で、別の運転士と口論になり、エンジンを切らずに列車から飛び出た。列車は無人のまま駅へ走りだし、惨事に。運転士は薬物中毒だった。

 事態を重く見た政府は、公共交通機関の運転士の薬物検査を実施。地元メディアは、高い割合で陽性反応が出たと伝えた。薬物のまん延は大学生にも。2018年の統計では、24%に使用経験があった。

 今回の事故には「エジプトらしさ」が凝縮されている。薬物問題に加え、鉄道システムは数十年前から更新されず、17年には年間1793件の事故が起きている。口論で運転者同士が車から飛び出すのも日常茶飯事。日本では大型連休を迎えるが、旅行者は本当に気を付けてほしい。 (奥田哲平)

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