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カイロ ヒジャブ姿の運転手

2019年07月05日

 取材先に向かうため携帯アプリで配車サービス「ウーバー」を呼ぶと、運転手は珍しくヒジャブ(頭髪を覆う黒い布)姿の女性だった。ジハーン・サレハさん(39)。1カ月前に自家用車を使ってウーバーの運転手として働き始めたという。

 男性優位のエジプト社会では、女性の就業率は26%。職場は限られている。ジハーンさんは18歳で大学を中退し、結婚。だが、夫が一昨年、脳卒中で亡くなり、彼女と6~15歳の2男1女が残された。

 「子どもにちゃんと教育を受けさせてあげたい」。高失業率のエジプトでは男性でさえ仕事を得るのは難しい。この1カ月で270件の配車注文を受け、6000エジプトポンド(約3万9000円)を稼いだ。「でも、本当はもっと働けたはず」という。

 運転手が女性と分かった途端にキャンセルされた。男性客を助手席に乗せていると、好奇の目で見られることも。「やっぱり女性の運転手は嫌ですか」とジハーンさん。「女性の運転手を望む女性のお客さんもいるはず」と答え、チップを多めに渡した。ダッシュボードには3人の子どもの写真が飾られていた。 (奥田哲平)

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