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パリ 万博「遺産」のお手本

2019年07月04日

 1900年のパリ万国博覧会でボルドー・ワイン館に使われた多角形の建物が、今もパリ南部に残っている。万博後、共同アトリエになった「ラ・リューシュ(ハチの巣箱)」。画家シャガールやスーチンもかつて暮らした。エッフェル塔で知られるエッフェルの設計という。

 「今も多くの芸術家が住んでいるんだよ」。隣の建物で作品展を開いていた入居者の画家ヒマットさん(58)が教えてくれた。イラク北部出身のクルド人で、日本で作品展を開いたことも。ツバキを題材にした作品について話していると、建物内を案内してくれることになった。

 3階建ての建物の中心には木造階段があり、入居者の個室が放射状に配置されている。所々むき出しになった鉄骨はエッフェル塔のようだ。建物外の大きなテーブルで、約50人いる入居者が交流もできる。ヒマットさんは「お互い刺激を与え合える環境だよ」と笑った。

 万博やオリンピックなど大規模イベントの後、開催に合わせて建設した施設の活用は大きな課題だ。芸術の巣箱ラ・リューシュは、まさにフランスらしい「レガシー(遺産)」と言える。 (竹田佳彦)

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