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上海 若者の心とらえる歌

2019年07月08日

 上海で開かれた人気デュオ「コブクロ」の小渕健太郎さん、黒田俊介さんと中国の若者約80人との交流イベントを見て、日本のアーティストに抱く彼らの憧れを実感した。

 2人はミニライブで「蕾(つぼみ)」などを披露。婁茜●(ろうせんいく)さん(20)は「亡き母への思いを込めた歌と聞いていたので、涙が出てきた」。8月に上海で開かれるライブ本番には「必ず行く」と、今からわくわくしている。

 「中国のスターとは違い、ユーモアがあり偉そうにしていない」と話すのは周◆青(しゅういんせい)さん(21)だ。トークショーで、小渕さんが「楽器を通じて友達が増え、人生を豊かにできる」と言うと、黒田さんがすかさず「僕はギターもピアノも弾けないおかげで、友達はまったく増えません」と大阪人らしいボケをかまし、爆笑を誘った。日本のソフトパワーは確実に中国の若者の心をとらえている。

 司会者から、代表曲「桜」が中国でも大人気だと聞かされた小渕さんは「本当ですか。信じられない」を連発。ソフトパワーの威力に気づいていないのは、当のアーティストかもしれない。 (浅井正智)

※●は火へんに日のしたに立
※◆はたけかんむりに均