2019年07月17日
4月中旬、タイとラオスに接するミャンマー東部シャン州を訪れた。同州を含む3国の国境地帯は「黄金の三角地帯」(ゴールデントライアングル)と呼ばれる。麻薬密造や内戦の地という負の印象が付きまとうが、それだけでは語れない。
訪問時、ミャンマーの正月を祝う水掛け祭り「ティンジャン」の最中だった。洗面器やバケツ、水鉄砲で思い切り、人や車に無邪気に水を掛ける光景が至る所で見られた。
シャン州の山が幾重にも連なる地形は、日本にも似て郷愁を誘う。高台から見下ろした棚田は息をのむ美しさだった。
料理も総じて極端な辛さやくせがなく、多くの人の口に合いそうだ。特に印象に残ったのが「シャン・ヌードル」。鶏だしスープに米の麺が入り、こしょうがアクセントになっている。東南アジアの麺料理の中でも、最高レベルではないだろうか。
シャン州では国連などの後押しで、麻薬の原料ケシから他の作物への生産転換が図られている。成果を上げ、悪いイメージが払拭(ふっしょく)される日が来るように願う。 (北川成史)