2019年08月22日
出先でエレベーターに乗ったら、ビル内の掃除をしていた年配の女性に「雨が降ってきたの?」と尋ねられた。外は快晴。一瞬とまどったが、自分が手にしていたものに気付いて答えた。「ああ、これは日傘です」
日に日に暑さが増すソウル。だが日傘を差す人は少ない。知人の韓国人女性に聞いたら、日傘は「おばさんが使うもの」というイメージなのだそうだ。
ただ市中心部で日傘姿、しかも「日傘男子」を頻繁に見られる場所がある。大使館などの公館前では、警備の警察官が制服姿で大きな日傘を差して立っている。雨傘のようにしか見えないのだが、大きな影ができて熱中症予防に効果がありそうだ。横断歩道脇のパラソルも開き始めた。信号待ちの人を日差しから守るため、2年ほど前から設置が広まったという。
日本より日よけに気を使う光景が多い韓国で、日傘を差す人が少ないのは不思議だが、もっと謎なのは、強い紫外線にさらされているはずの韓国女性の肌がしみも少なく、きれいなことだ。日焼け止め化粧品の品質がよほどいいのか、もともと肌が強いのか。答えはまだ見つかっていない。 (境田未緒)