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ワシントン 今も貫く国家への忠誠

2019年08月17日

 5月下旬、アーリントン国立墓地で戦没将兵記念日に合わせて開かれた日系米国人兵士の慰霊式典に参加した。墓地には第二次世界大戦以来、米国のために戦った約90人の日系人兵士らが眠る。テリー・シマさん(96)が代表で、今年になって亡くなった人の活躍をたたえた。

 シマさんはハワイ生まれの日系2世。戦時中は日系人で編成され、欧州戦線で勇名をはせた陸軍442連隊の広報を務めた。戦後は「語り部」として日系人兵士が差別や偏見と闘いながら、いかに祖国の米国に忠誠を尽くしてきたかを訴えてきた。

 印象深かったのは、戦後、当時のトルーマン大統領とホワイトハウスで面会した時の話だ。「大統領が『あなた方は外国で敵と戦い、国内で差別と闘った。そして勝ったのだ』と慰労してくれた。汚名をそそぐことができたんだと実感しました」

 トランプ大統領が排外的な移民政策を打ち出す中、日系人団体は「歴史に学んでいない」と抗議している。シマさんにもトランプ氏批判を期待したが「話せない」と丁重に断られた。元軍人の政治に関与しない強い意志を感じたが、表情は心なしか悲しげだった。 (岩田仲弘)

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