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上海 高級百貨店、なじまず

2019年09月17日

 上海市内にある日系百貨店、高島屋が今年8月に閉店することになった。日本関連の文化イベントが開かれることもあり、在留邦人らにとってシンボル的な存在だった。突然の発表に、会員制交流サイト(SNS)は「本当か?」「残念だ!」という書き込みであふれた。

 支局から歩いて行けるので、私もたまに利用するが、正直なところ「閉店」と聞いても驚かなかった。食品売り場とレストランがあるフロアを除けば、お客より店員の方が多いように見えるありさまだったからだ。

 中国ではネット通販が拡大の一途で、実体店舗は軒並み苦戦を強いられている。高島屋側は、日本好きの金持ち中国人に期待していたかもしれない。しかし、中国人記者によると「日本に旅行する中国人は、事前に高島屋で品物を確認し、東京の高島屋でより安い値段で買って帰る」という。つまり商品展示場になってしまっていたわけだ。

 閉店を巡るSNSへの中国人からの投稿に「水土不服」とだけ書かれたものがあった。ほかに説明はなし。「風土になじまない」という意味の成語だ。高島屋さんには申し訳ないが、言い得て妙である。 (浅井正智)

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