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ワシントン 学生たちの記者研修

2019年09月27日

 「人種のるつぼ」といわれる米国で、なぜ移民が排斥され、抗議運動が広がっているのか。夏休みを利用してワシントンで記者研修を行った南山大国際教養学部3年の真船瑞己(まふねみずき)さんと赤坂結芽(ゆめ)さんは素朴な疑問を抱いていた。答えのヒントを与えてくれたのは日系米国人だった。

 第二次大戦中に敵性外国人として強制収容される一方、名誉回復のため欧州戦線で「GO FOR BROKE!(当たって砕けろ)」を合言葉に祖国・米国のため勇敢に戦った日系2世たち。スミソニアンの米歴史博物館に展示されている、母が息子に送った千人針には苦しみや悲しみ、希望が縫い込まれていた。

 日系人は、トランプ政権の排外的な移民政策にもいち早く抗議の声を上げた。日系人の名誉回復に尽力した故フレッド・コレマツ氏の長女カレンさんは、移民の地位向上の闘いを2人に熱心に語った。「正しいことのために声を上げる大切さを痛感した」(真船さん)、「移民問題は遠い国の話というイメージだったが、身近な問題だと実感できた」(赤坂さん)。短い滞在期間とはいえ、米国をもっと知りたいとの強い思いが伝わってきた。

 (岩田仲弘)