2019年10月04日
バンコク郊外のスワンナプーム空港内に突如流れたのは、AKB48のヒット曲「恋するフォーチュンクッキー」。制服姿の地上職員や客室乗務員らが次々にチェックインカウンター前に集まり、笑顔で踊りだした。
全日本空輸(ANA)がバンコク-東京線の就航30周年を記念し、7月中旬に開いた記念式典。「フラッシュモブ」と呼ばれる数10人の息の合ったダンスに、搭乗手続きを待っていた大勢の旅行客は驚いた様子だ。
「この日のために、タイ人スタッフたちは1カ月間、猛特訓を続けてきました」。柏木寿州(としくに)バンコク支店長は、してやったりの表情を浮かべていた。
1989年7月に東南アジアで初の路線として就航したANAのバンコク-東京線。ビジネス、観光双方の旺盛な需要に支えられ、現在は成田、羽田を合わせて週35往復している。
就航当初の利用客はほとんどが日本人だったが、今ではタイ人など外国人が半数を占める。「搭乗いただいたお客さまに感謝します。路線拡大に向け経営資源を集中し、タイの成長に貢献したい」。ANAの平子裕志社長は記者会見で謝意を表し、決意を語った。 (山上隆之)