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北京 つぼみは咲くハズ?

2019年10月08日

 夏になり、街角でハスの花売りを時々見かける。こぶしほどもあるつぼみや、花が落ちた後の緑色の茎が、それぞれ1本5元(約80円)ほどで売っている。後者は形も大きさもシャワーヘッドのようで、中には白い実がいくつも入っている。

 売り子の男性に「どこの産地?」と聞くと、「白洋淀(はくようてん)だ」と怒ったような答えが返ってきた。白洋淀は習近平政権が建設を進める新都市・雄安新区にある湖だ。以前、取材した際には確かにハスが多かった。怒らせた手前、「必ず咲く」というつぼみを2本買ってみた。シャワーヘッドの茎は観賞用になるほか、「中の実は食べられる」という。おまけに1本くれた。

 得した気分で友人に話すと、「北京の公園では夜中に盗み採る人が絶えない」とのこと。だから売り子の男性は、疑われたと思って怒ったのだろうか。100キロ離れた白洋淀から出荷するのは割に合わない気もしてきた。

 事実は定かではないが、つぼみは一向に咲かずに黒ずみ始め、シャワーヘッドの茎から実を取り出して食べるのも気が進まない。夏風邪が長引き、「ハスの実は体にいい」と聞くのだが…。 (中沢穣)

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