2019年10月16日
出張の帰りにワシントン近郊の空港から、自宅まで配車サービス「リフト」を使った。車を呼び出すためスマートフォンを見ると、3分で送迎に来ると表示されたので、予約を入れた。だが、直後に表示が変わり、到着まで15分かかるという。
そんなに待たされるなら、少し高くてもすぐに拾えるタクシーにしようと、リフトの運転手に「キャンセルしたい」と電話したが、「もう予約が成立したので難しい」という。仕方ないので言われた通りに待ち、迎えに来たコロンビア人運転手に送ってもらった。やれやれと家に着くと、リフトから「お待たせしてすみませんでした」と通知が届き、おわびに次回の利用時に料金を5ドル割り引くという。
利用者の不満を和らげる狙いだろう。確かに普段より長く待たされて少しストレスを感じたので、次はウーバーなど他社のサービスに乗り換えようと思っていたが、割引サービスがあるなら、次も使おうという気になった。スマホを通じて、待ち時間などのデータを常時収集しているからこそできる利用者のつなぎ留め策だが、「デジタルデータが価値を生む時代」と言われるのを実感した。 (白石亘)