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テヘラン 市井の人びとの底力

2019年11月27日

 テヘラン南部にあるビルに、放課後になると小中高生が次々と集まってくる。日本でいう学童保育や学習支援教室だ。学校が昼すぎに終わるため、無料で昼食を提供し、受験勉強やスポーツを教える。2003年から地元企業による寄付やボランティア活動で運営される。

 裕福とはいえない地域にある。運営責任者のメヘティ・イスカンダリさん(55)は元新聞記者。「貧しさの原因の一つは麻薬。米国の経済制裁の影響で物価が上がっているのに、父親が稼いだ金を使ってしまう。勉強できる家庭環境にはない子が多い」という。

 目立つのは女子生徒の姿だ。エラヘ・ホスラビさん(15)は「ここに来て勉強するチャンスをもらえた。将来は航空機の技術者になりたい」と望む。医師などの専門職を目指す生徒が多く、イランの大学進学者の6割は女性とされる。

 財団では、複雑な家庭の子どもへの心理カウンセリングも行う。「道を踏み外さず、自分の夢を切り開いてほしい」とイスカンダリさん。外交や政治の話題に注目が集まりがちだが、イランの市井の人びとの暮らしに底力を感じた。(奥田哲平)

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