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ソウル 小言は聞きたくない

2019年12月27日

 旧暦8月15日の韓国の名節「秋夕(チュソク)」の連休初日、会員制交流サイト(SNS)で、「小言メニュー表」なるものが流れてきた。

 「大学はどこに行くんだ」(5万ウォン=約4600円)「そろそろ結婚しないと」(30万ウォン)などの“メニュー”と“価格”が並ぶ。親戚一同が集まる秋夕に、若者たちが言われたくないことを罰金メニューとして親戚のお年寄りに差し出す体裁だが、高齢者向けの忠告としてつくられたものらしい。

 最も高額なのが「おまえたち、そろそろ子どもを持つころじゃないか」で50万ウォン。日本でも「あるある」という言葉が並ぶ中、「いつ軍隊に行くんだ」(15万ウォン)「会社の年俸はいくらだ」(25万ウォン)が韓国らしい。韓国の知人男性によると、徴兵は健康な男性の義務だが、敏感な問題なので触れてほしくないのだという。

 年俸に関しては、韓国では気軽に尋ねる人が多く、初対面の人にいきなり給料の額を聞かれた経験が2回ある。「みんな昔はあいさつ代わりの言葉だった」と知人。時代の変化もあり、聞かれたくないことは日韓とも似てきている。 (境田未緒)