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香港 警察官にはならない

2020年01月15日

 犯罪者やマフィアと対決し、市民を守る-。香港映画の中でよく登場する香港警察は、そんな役回りが多い。賄賂を受け取ったり性格の悪い警察官もいるが、おおむね「正義の味方」として描かれてきた。実際の香港でもかつて市民は警察を信頼し、親しみを感じてきたはずだ。

 だが6月に「逃亡犯条例」改正案を発端とする抗議デモが本格化して以降、警察への市民感情は悪化している。背景には、デモ隊への警察官の暴力が過剰と受け止められていることや、7月にデモ隊が暴力団とみられる集団に襲撃された事件で警察の初動が遅れたことへの批判がある。香港政府は条例改正案の撤回を表明したが、焦点は警察の暴力行為調査などに移った。

 「警察は子どものころからあこがれの存在だった。将来は警察官の道を歩もうと思っていたが、すっかり幻滅した」。何度かデモに参加した経験がある高校生(18)はため息をつき、こう続けた。「警察官にはならないが、人を助ける仕事をしたい。今は看護師を目指している」

 香港では今後も激しいデモが続きそうだ。市民に信頼される警察に戻れる日は、いつになるのだろうか。 (坪井千隼)

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