【本文】

  1. トップ
  2. コラム
  3. 世界の街
  4. アメリカ・カナダ
  5. ニューヨーク グレタさんと一緒に

ニューヨーク グレタさんと一緒に

2020年01月29日

 地下鉄を降りて地上に出たら、身動きが取れないほど若者らがあふれていた。計400万人以上(主催者発表)が温暖化対策を訴えた9月20日の世界一斉デモ「気候ストライキ」。その火付け役、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(16)も加わった米ニューヨークでは、多くの児童生徒らが学校を休んだり早退して集まった。

 この3日後の国連気候行動サミットで、各国首脳らを前に「あなたたちは私たちを見捨てようとしている」と怒りの演説をぶったグレタさん。反感を抱く人々からは「批判ばかりで具体策がない」とも聞くが、中学を出たばかりなのにそこまで求めるのはお門違いではないか。むしろ、特定の政治家を攻撃したり、特定の政策を主張したりしないからこそ、共感が広がるのではないか。グレタさん自身、「私ではなく科学者らの話に耳を傾けて」と訴えてきた。

 「気候の融解を止めて!」と書いた紙を掲げてデモに参加したイートセル・イブラさん(17)は1つ年下のグレタさんをたたえた。「彼女が1人でできるなら、私たちも一緒にできる。物事を変えるために行動するという信念をもらった」 (赤川肇)