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米アリゾナ州 巨大な壁建設の目的

2020年03月17日

 トランプ米大統領が就任して間もなく3年。次の大統領選まであと1年となった今、トランプ氏がこだわっていたメキシコ国境との壁建設がどうなっているのか。西部アリゾナ州の国境沿いの街に取材に出た。

 砂漠地帯に着くと、新たに建設された巨大な「壁」が見渡す限り立ち並んでいた。この区画では完成すれば35キロほどで、当初想定したコンクリート製ではなく、鋼鉄製の柱が等間隔で並んでいるもの。腕を差し込むと、そこはメキシコ。この境界を越えようと何1000キロも移動してくる親子のことを想像し、切ない思いが込み上げてきた。

 トランプ氏は不法移民を凶悪犯のように語るが、州内の別の国境沿いに住む老夫婦は「移民は家族連れが多く、亡命申請のために警備隊に自ら拘束される。怖いと思ったことはない」と淡々と話していた。

 最近の報道では、壁の柱は市販の電動工具で人が通れる穴を開けることができ、発覚しないように戻すこともできるという。トランプ氏が巨費を投じて壁をつくるのは、実際に移民を防ぐためではなく、支持者にアピールしたいだけなのでは、と感じた。 (金杉貴雄)

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