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ニューヨーク 自然と頭を垂れた時

2020年03月12日

 先日の夜、出張先のニューヨークでうっかりミスをやってしまった。支局が入っているビルで遅くまで仕事をしていて、同じフロアのトイレに行くのに支局のカギを持って出るのを忘れ、閉め出されてしまったのだ。

 会社の同僚は帰宅済み。わざわざ戻ってもらうのはさすがに申し訳ない。実は1年ほど前にも、ワシントンで自宅アパートのカギを会社に忘れたことがあった。この時は管理人の男性と顔なじみでスペアキーで開けてもらい、事なきを得たのだが。

 ビル1階に降り、若い黒人の警備員に恐る恐る事情を話すと「開けるわけにはいかない」と案の定、つれない返事。そこに年配の警備員も現れたので、切羽詰まって「国連取材で出張に来たが、まだ仕事が残っているのでどうしても戻らないといけない。何とかならないか」と頼み込んだ。すると見かねた様子で、ビルの責任者に電話し、許可を取り付けてくれた。

 ホッとしたのとありがたい気持ちから、思わず日本流のお辞儀をしてしまった。とっさの反応に日本人であることを痛感したが、先方にも気持ちは伝わったようで、コクリと頭(こうべ)を垂れて、会釈してくれた。 (白石亘)

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