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ニューヨーク マスクで隠せぬ懸念

2020年04月01日

 世界6大マラソンの一つとされる11月の米ニューヨークシティー・マラソン。出場者らがきらびやかな民族衣裳などに身を包んで行進する開会式典で、今年は風変わりな集団がいた。黒マスクにサングラス。静かにプラカードや横断幕を掲げている。「香港に支持を」「自由と民主主義に賛同を」-。

 米国人と結婚してニューヨークに住む香港出身の女性会社員(31)らが会員制交流サイト(SNS)で呼び掛け、20人前後の老若男女が集まった。「香港では市民が命懸けで政府や警察と闘っている。世界の人に応援してほしい」と女性。一方、いずれ帰国する参加者らの名前や顔がさらされることも心配する。「私自身は米国に永住するつもりだから大丈夫だけど…」。顔認証技術などで個人が特定され、不利益や危険を被る可能性を懸念しているという。

 中国南部・広東省出身の男子大学生(21)は筆者に歩み寄り、自分の黒マスクをずらした。「力でデモを抑え込もうとするのを一度許せば、なし崩しにされてしまう」と憤りをあらわに。「米国は言論の自由があるけれど…」と言いながら、再びマスクを戻した。 (赤川肇)

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