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ロンドン 揺るぎなき階級社会

2020年05月25日

 「コックニー」が好きでもあり、苦手でもある。労働者階級が話すアクセントで、私の中ではクールな英国の代名詞。しかし、文法も発音も独特だ。むんにゃ、むんにゃと粘りつくようなイントネーションで、テレビの中の英語とは全く違い、聞き取るのはなかなか難しい。

 パブで飲みながら、英国人のデビッドにこの話をした。「日本にもアクセントの差はあるか」と聞くので、地域で違うと言うと、彼は「英国は地域だけでなく階級でも違うからな」。

 英国の中等教育は私立のパブリックスクールと公立のステートスクールがあり、公立の進学校はグラマースクールと呼ばれる。デビッドは「ラグビーはパブリック、クリケットはグラマー、サッカーはステートで盛んだ」と例え、「12歳の時、すでに社会の階級は意識した」と打ち明ける。

 上流階級のアクセントは私立校で培われるという。その上で、グラマー出身のデビッドは素朴な疑問をぶつけてきた。「日本はエンペラーもみんなと同じアクセントなのか」。「もちろん」という答えに心底驚く彼の様子に、英国の揺るぎない階級社会を見た。

 (沢田千秋)

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