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上海 物資に真心?下心?

2020年06月25日

 新型肺炎の感染者が爆発的に増えだして1週間ほどたったころ、中国企業で働く友人からメールで写真が届いた。トラックに積み込まれた大量の医療用防護服。感染が最も深刻な湖北省に支援物資として送るもので、「この1週間、全社員が手配にかかりきりだった」という。

 「民間企業は結局は政府との関係が最重要。支援で好感度を高めたいが、政府も世論も早いものしか覚えていない」。だから民間企業はわれ先に、と物資を送る。友人は「ほとんど政治だ」と表現する。

 武漢市を含む湖北省では、マスクや医療物資の不足は人の命にかかわるほど深刻。中国内外を問わず入手が困難だ。中国に送るために新興国でマスクを買い占めたものの、その後に輸出が禁止されて損失を出すケースもあるらしい。こうした状況下では、政治的な下心があろうと救援物資はありがたいものだ。

 ある夜、仕事を終えて出前を注文した。袋を開けると、料理の容器と一緒に韓国製のマスクが1袋入っている。これを見た瞬間、またこの店で注文したいとの気持ちがわき上がった。「政治」か真心か。空腹の時に見分けは付かない。 (白山泉)

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