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ミャンマー・ヤンゴン 川を隔て一変する国

2020年06月23日

 市街地のはずれの川べりにたたずんでいると、「日本人か? 向こう岸に渡ってみないか」と男性に声をかけられた。幅500メートルほどのヤンゴン川を行き来する大型船は、日本から贈られたという。「ミャンマー人でも有料だが、日本人はタダだ」

 珍しさも相まって、10分ほど船に乗り、対岸へ。ブランド品が並ぶ最新のショッピングセンターもある市街とは一変し、物売りの露店が立ち並び、道には砂ぼこり。さらに離れたバンブービレッジという貧しい村まで促されるまま向かうと、水道も電気もなく、文字どおり竹でこしらえた家々が現れた。

 男性の説明では、もともと貧しかったが、かつての洪水被害ですべて失われた。住民はIDがなく、職がなく、政府の支援も届かない。食料のほとんどは寄付で賄われているという。傍らで、小学生くらいの女の子が背丈半分ほどのタンクをかかえ、池から水を運んでいた。

 帰りの船着き場で「おれも村の出身だ。親戚の子どもたちがいる」と男性。こうなるだろうと思っていたが、案内のお礼を手渡すと「帰りの船もただだから心配ない」と笑顔で見送ってくれた。 (岩崎健太朗)

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