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北京 ホームドアで安心を

2020年06月14日

 「日本の駅って、危ないよね。中国の方が安全だよ」。日本への留学経験がある知人男性(39)がそう話し、はっとした。

 男性が指摘したのは、駅のホームドアだ。「中国では大半の駅にあるが、日本ではない駅が多い。毎朝、あれだけ人があふれるのに、なぜ設置しないのかな」と首をかしげた。

 確かに中国で市民の足となっている地下鉄は、大半の駅にホームドアがある。近年建設された路線が多いため、そもそも最初から備え付けられている。北京には、当初はなかった古い路線が多いが近年整備が進んだ。

 地下鉄とは異なり、地上路線の駅はホームドアが少ない。ただ中国では、地上路線は本数が限られた長距離交通手段だ。乗客は列車を待つ間、ホームに入れない仕組みで危険性は低い。

 実際に接触事故や転落事故が減るため、日本の鉄道会社も設置を進めている。ただ日本では路線の乗り入れが多くドアの位置が異なったり、費用がかさむことから、なかなか進んでいないようだ。中国が長期的に発展する中、「安全性」は日本が誇る強みだ。中国の人たちに「危ない」と心配されるようでは、心もとない。 (坪井千隼)