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ソウル 東アジアで同性愛は

2020年06月30日

 男性だから、恋愛対象が女性とは限らない。「どんな人が好き?」と聞くべきだったのに、つい「どんな女性が好き?」と聞いてしまった。

 3月初めにソウルに赴任してまもなく、取材先で親しくなった20代後半の男性と食事した。初めは4月にある総選挙など政治の話をしていたが、お酒が入って恋愛話になった。

 彼は「過去に異性を好きだった時期もあるけど、今は同性愛なんです」と、10歳年上の私が発した配慮に欠いた言葉を責めずにカミングアウト。「この国では、私のような人間の恋人探しは簡単ではない」と悩みも口にした。

 韓国では男性の徴兵制が続き、軍隊での同性愛行為は厳禁。儒教の影響を受けた伝統的な家族観が残り、同性愛に不寛容なキリスト教右派の国民も多い。革新を掲げる文在寅(ムンジェイン)政権になっても、その点は変わらない。

 彼は近年、同性カップルに男女の結婚と同等の関係を認める制度を導入する自治体が出ている日本に期待しているというが、私は差別や偏見は根深いと思う。東アジアの住民として互いに性的少数者の権利に注目しようと乾杯した。 (相坂穣)

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