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バンコク 体制への失望 どこへ

2020年07月17日

 「人々の失望は新未来党が解党されたからではない」。バンコクで3月、同党党首だったタナトーン氏(41)にインタビューした際の言葉が印象に残る。

 昨年3月、民政復帰のために実施されたタイの総選挙で、反軍を掲げる新未来党は結党1年にもかかわらず、約80議席を獲得し、第三党に躍り出た。

 だが昨秋以降、憲法裁判所が資金調達の違法性などを理由に同党を解党し、タナトーン氏の議員資格を剥奪した。親軍政権の「圧力」のにおいをかいだ若者らの反政府集会が広がった。

 タナトーン氏は失望の対象は軍など守旧派が優遇される「体制」だと強調した。同氏の端正な容貌や企業の御曹司という育ちの良さが党のイメージに有利に働いたとはいえ、選挙での躍進は予想以上の面があった。

 インタビュー当日、同氏は民主化運動のための新グループの設立をフェイスブックのライブ配信で発表。3月末時点で、再生回数は40万回近くに上る。

 新型コロナウイルスの影響で反政府集会は影を潜めた。だが、貧富の差や汚職などの不公正に対する不満はくすぶったまま、行き場を探しているように見える。 (北川成史)

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