2020年07月27日
英BBC放送のニュースチャンネルで、週に1度、視聴者からの苦情や不満を紹介する12分間の番組「ニュースウオッチ」がひそかな楽しみだ。
災害のニュースでは「私たちに外へ出るなと言って、なぜ記者は水没地域や海岸線にいるのか」。有名人がゲイを公表した話題では「私は70代のゲイ。まるで末期の病気かのような報道に反対だ」「大半の人間は誰かの性的指向に興味はない」などと辛辣(しんらつ)だった。
新型コロナウイルス関連でも同様だ。日用品の買い占めニュースに「空の棚を映して不安をあおり、買い占めを加速している」「もしパニックを望んでいるなら、あなた方は成功している」と、視聴者は激怒した。
封鎖を意味する「ロックダウン」という言葉にも批判が殺到。「ロックダウンとは、暴動を鎮めるため囚人を房へ入れることだ。『隔離』の方がいいのに、アメリカ化にうんざり」や「私の脳みそも記者たちもロックダウン中だ。頼むから、ロックダウンという言葉をロックダウンして」などの投稿があった。
毎度毎度、多様な意見を臆せず放送するBBCの度量に感心する。 (沢田千秋)