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カイロ コロナ禍に共助の志

2020年08月11日

 約1カ月にわたるラマダン(断食月)を迎えているイスラム諸国。富める者と貧しい者が等しく飢餓の苦しみを共感し、イスラム教徒としての連帯意識を高める神聖な月だ。寄付や慈善活動で「徳を積む」のが盛んになる時期でもある。

 特に今年は新型コロナウイルスの流行で、多くの貧困家庭が苦境に陥る。食料支援の慈善団体「エジプト・フードバンク」では、ボランティアが米や豆などを箱詰めする作業を24時間体制で続ける。

 IT企業が母体の「ギザシステムズ教育財団」は、普段は障害者向けの教材を開発するが、新型コロナ流行を受けてフェースシールドを作り、医療資材が不足する病院に寄付する。包装などのボランティアを募ると、こちらも多くの若者が応じた。

 強権的な政治体制が続き、財政的にも豊かとはいえないエジプト。だが、国民の根っこにあるのは共助の精神だ。ギザシステムズ広報担当のアヤさんは「人口が急増して社会問題は多岐にわたり、政府だけでは対応できない。地域社会に生きる企業として貢献する責任を果たす」。コロナ禍は市民社会の底力という一面を見せてくれた。 (奥田哲平)

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