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ニューヨーク 「自粛警察」ここにも

2020年08月12日

 ニューヨーク・マンハッタンの隣に浮かぶ人口1万の島に住んでいる。緑が豊かで車の通行量は少なく、環境は申し分ない、いや、なかった。新型コロナウイルスの感染対策として外出制限やマスクの着用義務といった行政命令が次々に出され、ウイルスという見えない敵への疑心暗鬼と相まって、住民同士が監視し合うようなギスギスした雰囲気が増しているのだ。

 ジョギングする人、自転車に乗る人、買い物袋を提げて歩く人…。島内の情報サイトに20数人の写真が掲載された。共通点はマスクを着けていないこと。だが、マスクが必須なのは「公共の場で社会的距離(1.8メートル)を保てない場合」。写真の人々が必ずしも違反しているようには見えない。投稿者は「外でつばを吐く人も、くしゃみをする人も見た」と付け加えた。

 「こんな写真で隣人らを告げ口するなんて不愉快だ」と反論する複数の投稿を見つけ、ホッとした。わが意を得たり、と。新型ウイルス禍で度が過ぎた監視と密告がはびこり、世知辛い。そう家人に水を向けたら、「あなたも目を付けられないように気をつけて」と。ますます外出が遠のきそう。 (赤川肇)

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