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韓国・光州 おにぎり民主化の味

2020年08月14日

 ビビンバが有名な全州(チョンジュ)を代表に、美食で知られる韓国南西部の全羅道(チョルラド)。光州(クァンジュ)にもカモ鍋やハンバーグに似たトッカルビなど名物料理があるが、光州を象徴する食べ物といえば、おにぎりが挙がる。

 1980年5月、民主化を求めるデモを戒厳軍が武力で弾圧した光州事件。衝突は10日間に及び、多くの市民が犠牲になったが、光州の女性らがデモの参加者に提供したのがおにぎりだ。当時、実際におにぎりを握ったという女性は「おにぎりは、分かち合いと団結の大同精神を表している。光州市民にとって特別な食べ物」と話す。

 最近では、「光州おにぎり」として提供する飲食店も登場。天ぷらをサンチュで包んで食べる「サンチュティギム」など郷土料理とのセットを出す店もあるという。

 先日、取材で光州を訪れ、食べる機会があった。カタクチイワシをまぜ込み、こぶし大に丸く握ったご飯にもほのかな味付けがしてある。それだけでも十分おいしいが、今年は事件から40年の節目。歴史的背景をかみしめながら食べるとより味わい深かった。

 (中村彰宏)

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