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カイロ コロナ対策にも「神」

2020年08月25日

 スタッフ「エアコンで外部からウイルスが入りますよ」

 私「空気感染はしません」

 スタッフ「ニンニクが感染を防ぐから食べている」

 私「健康に悪くはないね」

 日本の新聞で長年働くエジプト人スタッフですら、この程度の認識。アラブ社会では、新型コロナウイルス流行に関する非科学的言説や米中対立を背景にした「陰謀論」が飛び交う。

 欧米主導の紛争が繰り返された歴史的背景や教育水準の低さが背景にあるのだろう。ユーモアを好む会話の話題づくりという一面も。一方、宗教と科学という側面も外せない。

 イランの最高指導者ハメネイ師は3月、感染拡大は「米国の生物兵器攻撃かもしれない」とツイッターに投稿した。エジプトのイスラム教指導者はテレビ番組で「ウイルスは5G移動通信システムの電磁波の結果生じたものだ」と述べた。

 宗教指導者の発言は重く、少なからず感染症の正しい理解の障害になっている。マスク着用が少数派のカイロでは、社会的距離を保たず会話する市民が大半だ。「大丈夫だ。神が守ってくれる」と言われ、返答に窮した。 (奥田哲平)

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