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ワシントン 深夜 窓辺にくぎ付け

2020年08月24日

 5月末の土曜の深夜、自宅マンションにいると、パトカーのサイレンが騒がしくなってきた。6階の窓から外を眺めると、警察官が一列に並んで若者たちとにらみ合っている。怒号が飛び交い、騒然とした雰囲気。白人警官が黒人男性を暴行死させたのを受け、ワシントンでも昼に抗議デモがあったが、夜になると暴徒に様変わりしていた。

 窓を開けると、ココナツのような若者の香水のにおいが鼻をつく。目の前にある商業施設に若者がどんどん集まってきたかと思うと、パーカ姿の黒人らがクモの子を散らすように走り去っていった。ネットニュースを見ると、高級ブランド店のガラスが割られ、略奪があったようだ。警棒を掲げた警官隊が現場を取り囲み、両手を上げて投降した男が連行されていった。

 窓の外の光景にくぎ付けとなり、いつしか3時間がたっていたがデモ隊が暴徒化する動きは全米各地に広がっていた。抗議活動をきっかけに人種差別への怒りだけでなく、新型コロナの影響で仕事を失った人たちの不満も噴き出したのだろうか。何か大きなマグマがたまっているのでは、と胸騒ぎがしてなかなか寝付けなかった。 (白石亘)

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