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ニューヨーク 医療格差が米国に影

2020年09月22日

 米ニューヨークのディアナ・トレスさん(34)は仲間の医療従事者と一緒に、国民皆保険の実現を訴えている。看護師として全ての患者を大切に思うが、国民皆保険がない米国では「良い健康保険に入っている人が、良い医療を受けられる」。その格差がはらむのは、不平等の問題だけではない。新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療現場の混乱を助長した一因ともみる。

 12歳の時にコロンビアから移り住んだ。勤め先の病院では一晩400~1600ドル(約4万3000~17万円)の個室など「裕福なエリア」を担当。医療格差の現実を肌で感じてきた。「病院内にすら患者間の格差がある」

 「一般的に私たちヒスパニック(中南米系)や黒人は健康保険や投薬を利用する機会が少ないために、健康状態が悪くなる」とトレスさん。こうした人々の新型ウイルスによる死亡率の高さは「従来ある問題がより明確に反映されている」と語る。

 ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切)運動とともに新型ウイルス禍が浮き立たせた米国の影。格差是正へと舵(かじ)を切らないと未来は「絶望的」と、トレスさんは11月の大統領選を見据えている。 (赤川肇)

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