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ワシントン 驚くばかりの医療費

2020年10月02日

 医療機関からの書類にがくぜんとした。2200ドル(約24万円)と目が飛び出るほどの請求が。子供がたった1つ検査を受けただけなのに…。しかも、既に支払っているのだ。

 中学生の長男が、自宅のあるワシントン近郊の小児医院で超音波検査を受けた。年1回の健康診断でしこりがあると指摘されたからだ。結果は「問題なし」だったが、問題は費用。事前に「13万円ほど」と説明され驚いたが、そこは医療費の高い米国。民間の医療保険に加入していることもあって承諾し、実際その額を窓口で支払った。

 だが後日、追加の請求が届いた。受けていない別の検査までやったことになっている。電話で事務の女性は「請求は正しい」の一点張り。おかしいと主張すると「間違いはないが、高すぎると言うなら2万円にする」と急に10分の1以下に下げた。

 全てが納得いかないが、米国人の知人に聞くと「よくあること」だという。「病院は支払えそうな人から多く取ろうと高額請求をする。言われたまま払ってはだめ」と助言された。じゃあ本当はいくらなのか…。これは文化の違いなのか、と戸惑うばかりだった。 (金杉貴雄)