2020年10月12日
平日の午前11時半。ソウルの職場近くの飲食店街は活気づく。正午を回れば、どの店も混雑して席がなくなるので、サラリーマンたちは早めに動くのだ。
韓国の就職情報会社が実施した社会人の昼食に関する調査によると、飲食店での平均支出は7400ウォン(約680円)。キムチチゲなどの鍋物や冷麺、ビビンバ、トンカツなどボリュームたっぷりのランチをしっかり食べた後、さらにもう1軒カフェに立ち寄って、昼休みに1万ウォン以上使う人もざらにいる。
日本で500円以内の「ワンコイン・ランチ」に慣れてきた私には、かなりぜいたくに映る。近年、日本では節約や健康志向の「弁当男子」をはじめ手作り弁当を持参するサラリーマンが30%に上るとされるが、韓国では5%ほどしかいないという。
なぜか。友人の韓国人記者は「弁当を広げることで、他人に家庭内事情をさらけ出してしまうような感じがして嫌う人が多い」との説を披露してくれた。
私も、郷に入っては郷に従う。妻と交渉して、日本国内で勤務していた時よりも、昼食予算を増やして、取材先などと外食を楽しんでいる。
(相坂穣)