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ワシントン なじみの店活気失う

2020年10月13日

 ワシントンでもようやく経済活動の再開が進み、レストランでの店内飲食が解禁された。自炊に飽き飽きしていたので、久しぶりの外食を楽しみにしていたのだが、新型コロナウイルスの影響でなじみの店はどこも活気を失い、様変わりしていた。

 いろんな料理が選べるビュッフェは、以前は週2回ほど通うお気に入りだったが、近所の店には「長い間お世話になりました」と閉店の張り紙が。やはり多くの客がトングを共有して料理をよそうのは衛生的に厳しいようで、他のビュッフェ店もハンバーガーなど注文したメニューだけを出す形に変わった。

 営業を再開したベトナム料理店にも久しぶりにランチで訪れたが、30分ほどの間に私のほかに誰も客はいなかった。ベトナム人の店主は「まだみんな在宅勤務をしてるから、戻ってくるのは来年になるかも。それまで頑張るよ」と笑ってみせた。

 激励の気持ちを込めてチップを少し多めに払ったが、このままの客足が続けば来年まで店は持ちこたえられないかもしれない。今の景気の実態は株価を見ても決して分からないが、中小企業のオーナーと話せばいかに深刻かよく分かる。 (白石亘)