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中国・武漢 「安全」理解できても…

2020年10月16日

 「武漢に来るのは怖くなかったですか」。中国湖北省武漢市のレストランで現地の女子大学生(22)と話をしていると、不意にこんな質問をしてきた。

 日本に留学していた彼女の友人は、新型コロナウイルスが日本に広がると武漢に引き揚げてきた。その際、中継地の大連で隔離するホテルを探したが「武漢出身」ということで宿泊を断られた。感染リスクの有無ではなく、「武漢人」を理由に差別されたことに傷ついたという。

 武漢市では全市民約1000万人のPCR検査を行い、市民がスマホの中に「陰性証明」を持っている。世界の感染状況に照らせば「世界一安全だ」というのも理解できる。

 しかし、上海に戻るとやはり、面会する人を不安にさせるかもしれないと思い、病院でPCR検査を受けた。「陰性証明」をもらうまでは、なぜだか外出することにやましさも感じた。

 武漢では感染していないと証明するには2週間後にも検査する必要があるのだろうが、「陰性証明」を持つだけで不思議と安心が得られるのだから、人の心理はよく分からない。今は武漢への差別が早くなくなることを願うばかりだ。 (白山泉)

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