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中国・武漢 収束しスローライフ

2020年10月26日

 長江を両側から囲むように広がる武漢の街は、緑が多くて心地よい風が吹く。今は新型コロナウイルスの感染も収束し、街行く人もどこかのんびり歩いているような気がする。

 都市封鎖に至ったコロナ禍の前後で何が変わったかいろんな人に聞いてみた。「会話のなかった両親が言葉を交わすようになった」と女子大学生(22)の1人は話した。今では出掛けるときに「マスクした?」、帰ってきたら「消毒した?」と声を掛け合う。不仲だった両親がコロナのおかげで親密になった。

 「両親とゆっくり過ごすことができた」というメーカー勤務の女性(32)。今まで残業が多くて話すひまもなかった。気付けば両親は「自分を育ててくれたたくましい人」ではなく、「面倒を見なければいけないお年寄り」になっていた。

 「以前よりゆっくりと歩くようになった」「お金をたくさん稼ぎたい気持ちが、少なくなった」と話す人も。みんなが就職難や残業代のカットなどに直面しているが、なぜか焦りを感じさせない。とにかく成長を急ぐ傾向のある中国で、初めて「スローライフ」な世界を見た気がした。 (白山泉)

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