2009年10月03日
中国で環境問題や貧困問題に取り組む非政府組織(NGO)代表と食事をした。彼らは「中国のNGOの立場は微妙です」と言う。
社会問題を改善しようとすればいやでも政策の不備が見える。一方、草の根の批判を恐れる政府はNGOに目を光らせる。圧力をかけ、政府関係者を顧問に天下りさせようとする。これでは非政府組織どころか「親政府組織」だ。
政府の干渉を何とか避けているNGOは、活動資金を外資系企業に求める。中国への社会貢献の基金を設ける企業が多いからだ。
彼らは「日系企業がもう少し開放的だったら…」と漏らす。欧米企業がNGOの計画を審査して出資を決めるのに対し、日系企業は「政府との関係は良好ですか?」「もう少し実績が欲しい」というそうだ。
「石橋たたき」は日本の“伝統”なので仕方ない気もする。ただ、民主的価値観を持つNGOが中国で育てば、日本にもプラスになると思うのだが。 (平岩勇司)