2009年10月05日
渡米して1年。特派員としての力量はともかく、腹回りは一回りも二回りも成長した。忙しい最中に手軽なピザ、夜更けのハンバーガー、外食で出されたものは残さない礼儀正しさ…。すべて不徳の致すところだ。
子どもにせがまれプールに行く機会が増えた。最初は立派な腹を見せるのは恥ずかしいと思ったが、杞憂(きゆう)に終わった。老若男女、女優のような美しい顔をした女性でさえ、私よりはるかに大きな腹を惜しげもなく披露している。
生活が苦しいと、安価で手軽な高カロリーのファストフードに頼らざるを得ない。貧困が肥満を招く実情は、貧困層の多い首都ワシントンで取材していてよく分かる。
一方、入場料が50ドルもする遊園地を最近訪れて目にした堂々とした肥満の光景には、貧富を超えた根本的な問題を感じずにいられなかった。安心している場合ではない。太陽にかざした自らの腹を眺めつつ、節制を誓った。 (岩田仲弘)