2020年11月11日
アムステルダムのバーで、伝統的な製法で造られるオランダの蒸留酒「ジュネバ」を試した。ジュネバは英国が本場のジンの起源になったといわれる。
もともとは17世紀中ごろ、世界に進出していたオランダ人の熱病対策のため、ジュニパーベリー(西洋ネズの実)などを加えた薬用酒がジュネバの始まり。後に英国に伝わり、独自の製法でジンが造られるようになったという。
店員が目の前で、チューリップ形のグラスにジュネバを注ぐと、表面張力で盛り上がった。こぼさないように口をグラスに持っていくのが正しい飲み方らしい。店員は「テーブルを囲んでいる人同士の距離が縮まるってわけだ」と笑った。
ジンに比べ、ほんのり甘めで飲みやすい。でも、アルコール度数はジンと同じぐらい。「ストレートはちょっと強いなあ」と店員に言うと、水ではなく小さなビールが出てきた。
そういえば、昔行った東京・浅草の老舗「神谷バー」でも「電気ブラン」のチェイサーにビールを頼むのが通とされた。なんだか懐かしくなって、思わず、もう一杯ジュネバを頼んでしまった。 (近藤晶)