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ソウル シェア自転車で快走

2020年11月07日

 ソウルでは少し前まで、日常的な買い物や通勤通学で自転車に乗る人が多くなかった。他人の目を気にする人が多く、自転車はマイカーを持てない貧困層の乗り物との印象で敬遠されたとの説も聞く。

 だが最近にわかに、白と緑のツートンカラーがトレードマークの自転車に乗る人が目立つようになった。ソウル市が2015年に環境対策で導入したシェア自転車だ。新型コロナウイルスの感染予防で満員の電車やバスを避けたい人たちが流入。今年春以降、一日利用者が80%も増え、2万人に迫る日もあるという。

 かくいう私も、感染第二波が拡大する中、利用を決意した。貸し出しや決済はすべてスマートフォンで行う。アナログ人間にはハードルは決して低くなかったが、何とか登録を済ませ、走りだした。

 挑戦して良かった。ソウル中心部に点在する政府機関や大使館など取材先を移動する時間は、バスや徒歩に比べて半分に短縮された。コロナ禍の憂鬱(ゆううつ)な気分も転換できる。東京や名古屋などでもシェア自転車が普及し始めている。一度、乗ってみては。 (相坂穣)